次世代の環境発がんを考える会」設立記念シンポジウムが無事終了した。会場満員の盛況であった。会場の熱気が、ひしひしと伝わって来た。

「次世代の環境発がんを考える会」は、日常生活を営む環境中に含まれる因子に暴露されることに起因する発がん、いわゆる『環境発がん』を未然に防ぎ、安全に安心して健康な生活をおくることができる社会の構築に寄与することを目的として発足された。現代は、如何なる領域・分野においても、「陣営の外」に出て、境界に立ち、隙間を埋める「懸け橋」が求められているのではなかろうか?

気品のある総合司会の森まどか様のアナウンスに始まり、ご多忙の鈴木寛文部科学副大臣の真摯なる的確な「開会の挨拶」は、参加者に大いなる感銘を与えた。杉村隆先生の何時もながらの本質をとらえた「基調講演」には本当に教えられた。まさに「次世代」への「過渡期の指導原理」と「新時代の形成力」である。田島和雄先生、溝上 雅史先生、島田 義也先生の御講演はすべて充実した内容であり、大変有益であった。木村利人先生、増田優先生、米倉義晴先生の名司会が会場を大いに盛り上げた。パネルデスカッション(司会:若林敬二先生、辻 篤子様)「次世代の環境発がん:ー皮剥けた世界・アジア貢献の懸け橋」では大事な意見の交換があって、次世代を考えるにあたって大いなる刺激となった。見事な「閉会の挨拶」の菅野晴夫先生の大局観のある「広々とした視点」は、「カオス的繁栄時代」の学者の大切な「機軸」である。本会の顧問であり我が癌学の師匠でもある、杉村隆先生の学者の「こころ」の大切さ、菅野晴夫先生の「次世代」にかけた想いを学ぶ貴重なる時であった。忘れ得ぬ想い出となろう。

「広々とした学問—深くて簡明、重くて軽妙、情熱的で冷静—」は「悠々と謙虚」を生み「対立的な違いを対称化」し「未来への懸け橋」となることであろう。「未来への懸け橋」は、皆様のお話を真剣な眼差しで聴いておられた原田明夫様のご執筆の『未来への懸け橋—今も生きている新渡戸稲造の精神』タイトルである。本当の「懸け橋」は、人間の勇気ある一歩によって、渡れるものと感ずる今日、この頃である。参加者の切なる要望に答えて、シンポの内容は、歴史的な記録として出版する予定である。乞うご期待である。

「次世代の環境発がんを考える会 」設立記念シンポジウムの記事が日経BPに掲載されています。(有料記事)

 
 日時 2010年 (平成 22年) 5 月8 日 (土)
 場所 東京ガーデンパレス 3F 平安の間
 
 総合司会 森まどか アナウンサー
 開会挨拶 鈴木 寛 文部科学副大臣
    (講演録 1ページ 159KB)
 座長 木村 利人 恵泉女学園大学 学長、日本生命倫理学会 会長
 基調講演 杉村 隆 国立がんセンター名誉総長
「環境発がん研究は がん研究・対策の王道」
    (講演録 7ページ 856KB)
 座長 増田 優 お茶の水女子大学 教授、知の市場会長、
化学生物総合管理学会会長
  講演1 田島 和雄 愛知がんセンター研究所 所長
「喫煙と肺がん、その温古創新」
    (講演録 7ページ 811KB)
  講演2 溝上 雅史 国立国際医療センター
国府台病院・肝炎・免疫研究センター長
「肝炎ウイルスはアジア・アフリカの環境発がん因子」
 座長 米倉 義晴 放射線医学総合研究所 理事長
  講演3 島田 義也 放射線医学総合研究所
発達期被ばく影響研究グループリーダー
「放射線発がん-胎児・こどもの被ばく」
  講演4 樋野 興夫 順天堂大学医学部 病理・腫瘍学 教授
「中皮腫-アスベストからナノマテリアルまで~」
    (講演録 4ページ 768KB)
 パネル
 デスカッション
「次世代の環境発がん: ー皮剥けた世界・アジア貢献の懸け橋」
  司会 若林 敬二(元・国立がんセンター研究所 所長)、辻 篤子(朝日新聞論説委員)
 閉会挨拶 菅野 晴夫 ( 財) 癌研究会顧問
    (講演録 1ページ 148KB)
 
 
 主催 「次世代の環境発がんを考える会」
 後援 日本癌学会
  順天堂大学大学院がん生涯教育センター
  日本がん分子疫学研究会
  日本病理学会
  朝日新聞社・メディカル朝日
  お茶の水アカデミア研究会
  日本環境変異原学会
  日本放射線影響学会
  放射線医学総合研究所
  文部科学省
  厚生労働省
 協賛 株式会社免疫生物研究所